メディアとしてのお店

株式会社FOOD&COMPANY

株式会社FOOD&COMPANY

店舗スタッフ

株式会社FOOD&COMPANY

株式会社FOOD&COMPANY

店舗スタッフ

恥ずかしながら、「オーガニック」という言葉にアレルギーがありました。

何と無く良いものとは分かっていながらも、どこかでオーガニックを好む方々への傾倒する姿に拒否反応があったんですね。そんな私がオーガニックって良いかもと思えるきっかけになった取材でした。

1、2時間という短い取材時間で私の凝り固まったイメージをほぐしてくださった、FOOD&COMPANYの経営者・白冰(バイ ビン)さんと同じく経営者で公私ともにパートナーの谷田部摩耶さんにお話をお伺いしました。

ゲスト

  • 白さん

    白冰さん

    株式会社FOOD&COMPANY
    代表取締役

  • 谷田部さん

    谷田部摩耶さん

    株式会社FOOD&COMPANY
    取締役・バイヤー

  • 鈴森さん

    鈴森千里さん

    株式会社FOOD&COMPANY
    青果バイヤー

日常にフォーカスしたビジネス

タカダサトコ

タカダサトコ

お二人は以前ニューヨークに住んでいらっしゃったんですよね?初っ端からパーソナルな質問ですみません。昨年初めてニューヨークに行って、すっかりニューヨークファンになったものでどうしてもそこから聞きたくて。

白冰

白冰 さん

僕はニューヨークの大学でファッションの勉強をしていて、2011年まで住んでいました。ちょうどブルックリンにアーティストが移って来て、新しいカルチャーの街として注目されるようになっていく時にブルックリンに住んでいましたね。

谷田部摩耶

谷田部摩耶 さん

私は高校からニューヨークのアップステート(ニューヨーク郊外)に住んでいました。大学と大学院はニューヨークのシティだったのでマンハッタンに住んでいる期間が長かったですね。日本に帰って来たのは2012年です。

タカダサトコ

タカダサトコ

ニューヨークから日本に帰って会社を始めるきっかけなんだったんですか

白冰

白冰 さん

僕が先に日本に帰って来て、国内の大手アパレルに入社後、売り場を経験したんですが会社は売り上げばかりに目を向けて、自分の売っている商品の社会的価値があまり実感できなくてなんのためにこの会社で働いているのだろうと悩みました。そのような状態で同期も過労で体調を崩したり、精神を患ったりして。希望を持って入った会社に対して、働く喜びをあまり見出せなくなっていってしまいました。その反動からメンバーが生き生きと働き、商売を通して社会に価値を提供できる実感を持てる会社を作りたいという思いが強くなっていきました。元々中学生の時から、起業をしたいと思っていたのもありましたし。

タカダサトコ

タカダサトコ

中学生で起業を考えるってかなり早くないですか?私なんて中学生の時何にも考えてなかったですよ。中学生の時にすでにどんな事業で起業しようなんて構想はあったんですか?

白冰

白冰 さん

具体的には何も。ただ、中国語が話せたし、英語も勉強していて(日本語も含めると)3ヶ国語が話せるから、海外を飛び回る様な仕事ができたらと漠然と思っていました。

谷田部摩耶

谷田部摩耶 さん

彼の家系が影響しているんですかね?華僑の方のビジネスマインドがあるのか、中学生の時からお父さんにビジネス本を渡されていたみたいですよ。

 

タカダサトコ

タカダサトコ

じゃあいつのまにかお父さんに洗脳されてたんですね。(笑)お父さんに感謝ですね。
前職を退職してからすぐに今の事業を立ち上げたんですか?


谷田部摩耶

谷田部摩耶 さん

FOOD&COMPANY(以下F&C)を立ち上げるまで2年かかりましたね。
彼が会社を辞めようか迷っていた時に、私は大学院でソーシャルビジネスという、社会問題をビジネスを通じて解決する分野の勉強をしていました。ちょうど私が仕事に関して悶々としていた時期と、彼が会社を辞めるか迷っていた時期が重なって、二人で話して、自分達が納得できるビジネスアプローチの手段を取ろうという事になったんです。ただ、それを実現できる会社を知らなかったので、じゃあ自分たちで作ろう!という事になりました。

白冰

白冰 さん

立ち上げまでの2年位は進むべき道を見つける為に、もっと世の中を知ろう!と言う事で、派遣社員などで働きながら北欧や中国の貧しい地域に行ったり、日本各地を回ったりして、二人の中で漠然としていたやりたい事をクリアにして行った感じです。
その2年間で世の中の色々な事情を見て二人で一致したのが、「日常にフォーカスする」という事でした。つまり、日常をいかに意識的に捉えるかで、その人個人の幸せのレベルと言うか満足度を上げ、その積み重ねがヘルシーで幸福度の高い社会を作ると思っていて。

谷田部摩耶

谷田部摩耶 さん

東京に住み始めて感じたのは、東京って経済的には豊かなはずなのに、私たちには少し満たされていないように映って。 途上国にも足を運びましたが、彼らの方がエネルギッシュに見えて。この違いって何だろうって考えた時に東京の方が解決すべき問題が山積みなんじゃないかって思ったんです。最初はソーシャルビジネスとして、途上国の支援などを考えていたんですけどね。


タカダサトコ

タカダサトコ

それがなんでグローサリーストアに繋がったんですか?お二人とも食の研究をしていたわけでもないですし、なんでそこに繋がったんだろうって不思議で。

谷田部摩耶

谷田部摩耶 さん

日常という切り口で生活を見た時に、食は生活の中心にあって、好き嫌いはあれど食べ物を食べないっていう人は殆どいないので、食の間口の広さと敷居の低さに魅力を感じ、食を媒体として何かをしたいねと、自然と今の形になっていきました。

白冰

白冰 さん

F&Cで売ってる物って僕たちにとってはメッセージを伝えるメディアなんです。

タカダサトコ

タカダサトコ

お話聞く前はお二人の理想とする食生活を提案するという意味が大きいかと思っていました。先入観ですが、ニューヨークで生活していらっしゃったし、食への意識が高いのに、日本ではお二人の満足するお店がないから作ろう!という動機かと。

谷田部摩耶

谷田部摩耶 さん

食って価値観をすごく反映する部分だし、日常的にお金を落とす場所ですよね、そう考えた時に、自分が食べたものがどこからきて、自分の支払った代金が誰の収入になるか知っているのって大切だと思うんですよね。私たちがそう感じるのであれば、同じ様に感じる人が絶対的にいるだろうなと思って。

タカダサトコ

タカダサトコ

食をメディアとしてって言うのは考えたことなったです。私、白状しますとここに取材に来るお話をもらった時、少し身構えたんです。
理由は自分でもよくわかっていて、少しオーガニックに対してアレルギーがあるんですよね。母が意識高い系だったもので、小さな頃からその手のお店によく連れて行かれてて。今みたいにおしゃれなオーガニックショップって感じではなく、子供心に「これ食べないと不健康になるぞ」みたいに脅迫されているのではないかと勝手に感じていました。ちょっと宗教っぽいと言うか。
ここまでお話してきて、お二人の口から食を通して体への影響とか、いかに健康に暮らすか、みたいなキーワードが一切出てこなくて逆にびっくりしています。

谷田部摩耶

谷田部摩耶 さん

私達のオーガニックの原体験はアメリカなんですが、特にニューヨークの人たちは、自分の健康にとってプラスになるという視点より、社会の健康を考えた結果がオーガニックっていう人が多くて。だから私の考えるオーガニックって農法だけでは無く、もっと大きな概念だと思っています。ちゃんと作り手に利益が還元されたり環境に配慮されている事、今この瞬間に自分の利益を最大化させる事では無くて、ロングタームで社会の為になる事を考える姿勢なんですよね。そんな風に考えていたのに、いざ日本のマーケットにおけるオーガニックの捉え方を調べたら、あまりにヘビーな反応に驚きました。
さっき仰ったみたいに、本質的には良い物だからみんな選びたいんだけど、日本ではお堅くて、難しいイメージがあるがために、多くの人が拒絶反応を示してしまうんですよね。
自分の健康のためにとか農薬が悪いからという意識は私たちにはあまりなくて、「食」のベースって楽しむ事じゃないですか。だから楽しく気持ちよく食べるのが一番で、それを可能にする一つの選択肢がオーガニックだと考えています。

白冰

白冰 さん

心が満たされていてハッピーでなければ体の健康を保つのは難しいと考えています。極論を言えばジャンクフードを食べていても、心の状態が良ければ、体の健康は成り立つ気さえします。なので私たちは心のヘルシーさを一番大事にしています。

谷田部摩耶

谷田部摩耶 さん

まずはライトにカジュアルに「楽しむ」オプションの一つとしてのオーガニックマーケットを確立させていきたいですね。

タカダサトコ

タカダサトコ

すごくホッとしました。お二人の考えるオーガニックが脅迫的なものじゃなくて。私も頭ではオーガニックが良いってわかってても、日々の忙しさに負けて、ついコンビニへ…なんて事良くあるので。